http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2010070502000096.html 河川や道路の整備など、国や自治体の公共事業に伴う緑化で、これまで使われてきた外来種の植物を在来種に切り替える動きが出てきた。一方で、在来種植物による緑化技術はまだ不十分、緑化にも時間がかかるという。土砂流出の恐れなどから、「外来種でも、利用できるものは積極的に利用を」と指摘する研究者もいる。 (市川真)
ノシバが外来種の緑化植物などに覆われた河川敷。
「手入れを怠るとすぐこうなる」と中野裕司さん
=東京都葛飾区の江戸川河川敷で 東京都葛飾区の江戸川河川敷。堤防に植えられた在来種のノシバが、背の高い外来種の雑草に覆われていた。ノシバを植えたのは、河川を管理する国土交通省。手入れを怠ると、すぐ外来種のトールフェスクなどが茂ってしまう。
雑草がはびこった直接の原因は、河川の維持管理費予算が本年度から削られたこと。国交省江戸川河川事務所管理課の担当者は「昨年までは年間三、四回草刈りをしていたが、今年は二回。苦情も多い」とこぼす。
外来種の雑草が増えても、水防の機能は損なわれないものの、「雑草によって花粉症がひどくなった」という声も。江戸川では過去に、外来種の緑化植物を植えたことはない。予算が減ってワラ芝を植えたことがあり「外来種の種が混ざっていた可能性はある」(同事務所)。
全国的に河川や道路などののり面には、外来種のウィーピングラブグラスやトールフェスクなどの緑化植物が長年利用されてきた。乾燥した土地でも根を張りやすく、土砂流出の恐れが少ないことがその理由だ。
国内に存在する外来種は二千種。うち九十七種が、二〇〇五年施行の外来生物法で侵略的な外来種(特定外来生物)に指定された。緑化植物は、侵略的外来種という位置付けではないものの、「総合的な検討を進めるべきだ」として、要注意外来生物リストに十二種が列挙された。
国会でも同法付帯決議に「政府や自治体の緑化において、外来生物の使用は避けるよう努める」とあり、公共事業での外来種排除の方向がはっきり打ち出された。
佐賀県は〇六年、緑化植物四種を含めた植物十八種について、新たに種をまくことを条例で禁止。違反者には勧告と氏名公表の罰則も設けた。同県有明海再生・自然環境課は「新規工事から、これらの緑化植物を排除した」とする。
ただ、全国的には在来種への代替はあまり進んでいない。国交省道路局は「道路ののり面は、安全確保が第一。在来種の代替技術ができるまで、外来種の使用もやむを得ない」としている。
◆時間、コストかかる在来種 外来緑化植物のウィーピングラブグラスは、工事関係者の間で「奇跡の草」と呼ばれてきた。野山を切り開いても、種をまけば一カ月で緑に変わるからだ。
ところが、要注意外来生物リストに挙げられ「一転して悪者扱いされた」。NPO法人自然環境復元協会理事の中野裕司さん(58)は話す。緑化植物の取り扱いを検討する国の研究会専門委員だった中野さんによると、在来種のみに限定してしまうことで、さまざまなデメリットも発生する。
緑化コストが上がり、緑化に時間がかかるために土砂流出の恐れも。加えて、在来種としてまかれる種のほとんどは同種の中国産。国内で採種する体制づくりは困難だ。外来種の緑化植物によって、希少種に危機が迫った事例は一部で報告されている。半面、外来緑化植物だけだった土地は三十年ほどたつと在来植生に戻っていくという。
外来種がはびこるのは例外なく乾燥した裸地。温暖で雨が多い日本の中では例外だ。中野さんは「人間が開発でそんな土地を造った。外来種を悪者と決め付けず、利用できるものを利用するのも手だ」と指摘する。
(2010年7月5日 中日新聞)
(´-`).。oO(苦労が多そうですね・・・)
posted by さーじゃりあん at 22:20|
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